Project
水汚染耐性のある水供給システムの構築
Establishing Sustainable Water Supply System Resilient to the Contamination of Drinking Water Sources
Overview
高度浄水処理の初期費用と運転費用を80パーセント低減!
ベトナムを含む東南アジア地域では水道水源である河川の水質汚染が進んでおり、一般的な浄水処理方法では水道水の安全性を確保できなくなっています。さらに、汚染物質の除去が可能である高度な浄水処理方法は、その初期投資と運用費用が共に高止まりしているため、普及していません。本研究では、安価・超省エネ・現地調達を実現する高度浄水処理方法(浸漬式ナノろ過膜処理)と、水の安全性をオンラインで監視する水質計測技術を開発します。
住民と産業への持続的な水供給を実現
高度浄水処理を開発途上国の水道施設(浄水場、商業ビル、工業用水を使用する産業)に普及させ、安全で安価な水が住民と産業に持続的に供給される社会の実現に貢献します。また、現地の本邦企業/法人に安価な高度処理水を供給して彼らの生産活動の進展に寄与します。
開発途上国における河川水汚染の実態
開発する浸漬平膜式ナノろ過膜ユニット
Activities
JICA無償資金協力事業によって導入された水道設備の視察
ハイフォン市全体の浄水場の運転状態を監視できるモニター
河川水質の汚染状況の調査
SDGs
2015年9月、国連本部において「国連持続可能な開発サミット」が開催され、2030年までに国際社会が協力して取り組むべき地球規模課題をまとめた「持続可能な開発目標( Sustainable Development Goals :SDGs)」が採択されました。
SDGsにおける17の目標のうち本プロジェクトは、SDGs目標 6「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」に貢献します。また、本研究は化学薬品フリーや低消費電力を通して環境負荷を減らし、人と産業に水を持続的に供給するため、目標 11「包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現する」に関連します。さらに、本研究は汚染された河川水を水道水源として活用し、気候変動による水資源量減少への耐性を高めるため、目標 13「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」に寄与します。